その膝の違和感、もしかすると「良かれと思って選んだ靴」が原因かもしれません。
「膝が痛いからクッション性の高い靴にしました」「足に負担をかけたくないので柔らかい靴底を選んでいます」。当院でもこうお話される方はとても多いです。身体を大切にしようとしている、やさしい選択です。
ただ、それでも違和感が消えないのはなぜでしょうか?その理由は「靴のやさしさ」の中に隠れているかもしれません。
■ 脚には生まれながらの「クッションシステム」があります
私たちの脚には地面からの衝撃を吸収する仕組みが何層にも備わっています。足のアーチがバネとして衝撃を受け止め、足首が細かく角度を調整し、膝がしなやかに曲がって力を逃がし、股関節がさらに全身に分散させる。この連動が歩くたびに無意識に起きています。
ところが厚くて柔らかい靴を履き続けると、身体の中で2つのことが同時に起きます。足裏の筋肉が「自分が頑張らなくていい」とサボり始めること。そして足首やふくらはぎが「転ばないように」と無意識に固まり続けること。
弱くなる部分と硬くなる部分が同時につくられていく。これがクッション靴が引き起こす本当の問題です。腰が痛いからと24時間コルセットを巻き続けたら腰の筋肉はフニャフニャになりますよね。足も、まったく同じことが起きています。
■ 足裏の「センサー」まで鈍くなっています
足の裏には地面の情報を感知する精密なセンサーが備わっています。昔の人はわらじでデコボコ道を歩いていました。足裏のセンサーが脳へ素早く信号を送り、膝や股関節が瞬時に対応していた。わらじで山道を歩いていた人が膝を痛めなかった理由はここにあるかもしれません。
ところが現代人の足は厚いソールによってその信号を遮断されています。脳への情報が減る→膝や股関節を守る反射が鈍くなる→負担が特定の場所に集中する。この流れが膝の違和感につながっています。
■ 私自身の普段の履き物
私は室内では草履を、外出時はベアフットシューズ(ゼロドロップ)を使っています。特別なことをしているわけではありません。足が本来の動きをできる環境を日常の中に作っているだけです。
今では通常のクッション性の高いスニーカーを履くと逆に歩きにくく感じるようになりました。足本来の機能が戻ってくると「守られすぎている靴」の方が不自然に感じるようになるのです。
■ ただし、いきなり変えないでください
いきなり薄い靴底に変えないでください。靴のクッションがなくなっても自分の足のクッション機能はまだ育っていない。その状態で長時間歩くと足底筋膜炎などを起こすことがあります。
まずは家の周りの短時間の散歩から。ポイントは「違和感が出たらすぐ戻れる距離」にしておくこと。慣れてきたら少しずつ距離を伸ばす。その積み重ねで眠っていた足のバネは確実に目覚めてきます。慣れてきたら公園の芝生や土の上を裸足で歩いてみるのもおすすめです。
■ まとめ
やさしい靴を選んできたのは、あなたが自分の身体を大切にしたかったからです。その気持ちは正しい。ただ、方向を少しだけ変えてみませんか。足を守るのではなく、足を育てる選択へ。
膝の違和感・歩くと疲れやすい・靴の外側ばかりすり減るという方は、まず一度体を診せてください。
※姿勢・足首の可動域チェックとカウンセリングは無料で行っています。
まずはLINEからお気軽にどうぞ。
バランスビュー匠 高山英知